「お父さん面食いだもんね。」
「そうだぞー。昔は母さんも…」
「昔は?」
「…今もだなぁ」
私の家とは違う暖かさを感じた。
久しぶりに気分の良い私は小さい茶碗に盛られたご飯をゆっくりだが完食することができた。
「お口に合ったかしら?」
「はい、とっても美味しかったです。」
「そう…良かった。」
「さてと、私は片付けでもするかな~、亮お風呂入ってきちゃいなよ。」
「あぁ。」
隣にいた亮くんが私の頭を撫でて部屋から出ていく。
「楓さんお茶でもどうかな?」
「あ…いただきます。」
由紀さんとお母さんは食器洗いに行き残されたのは私とお父さんだ。
意外な組み合わせに少し緊張する。
「亮に久々に会えたし…楓さんにも会えて、今日はとても良い日だ。」
「そんな…こちらこそ、ありがとうございました。」
「私は今を大切にしたいからね。会えて嬉しいよ。」
「…私なんかで良いなら…」
照れ隠しで言ったつもりだったが、自分への自信の無さが出てしまった。
「楓さんは…自分にあまり自身が無いようだね?」
「あ……はい…昔からそうで…」
血筋だろうか。どうしてこんなにばれてしまうのだろう。
「我が家も他の家と何も変わらないよ。」
にこにこしながら静かに語るお父さんの言葉に耳を傾ける。
落ち着く声で、これもきっと血筋…だと思う。
「楓さんは亮が選んだ人だから、私は安心して君を受け入れる。第二のお父さんになれればいいなと思っているよ。」
「じゃあ私は第二のお姉さんで!…って、楓ちゃんお姉さんいる?」
お皿洗いから帰って来た由紀さんがお父さんの隣に座る。
