お母さん、お父さん…だって。
私たち本当に結婚するんだなぁ…
そんなことでしみじみと“結婚”を感じてしまう。
「あの、亮くんの家って意外と田舎ですか?」
「いきなりぶっこんで来たね楓ちゃん。まぁ確かに周りにビルとかは無いけど…」
「え!?…す、すいません。だって、なんかこの風景が意外で。」
「都市部で生まれ育った人なんて一握りでしょ。…あとちょっとだからね。」
畑がちらほら。
勝手に高層ビルが並ぶようなところに家族も住んでいるんだと思ってた。
「あの…まさか、ここですか?」
彼の車が、おそらく駐車場に停まりそこから降りた。
塀がどこまでも続いていく。
入口は一体どこにあるのだろう。
都会ではないが、高級感のある住宅だ。
「亮くん…豪邸に住んでるんですね。」
「豪邸?……あぁ、旅館…みたいなのやってて…無駄に広いだけだと思う」
「旅館!?…それにしても、広い…ですね。」
少しだけ歩いて入口にたどり着いた。
扉を開けて、広い庭が広がっていて、また歩くと扉があった。
ここが本物の家の扉だろう。
うわぁ…
家紋が大きい…
「楓ちゃん、行くよ。」
「あ、すいません…いよいよですね…」
自然と開いていた口を閉じて、彼の横に並ぶ。
あまり見えない彼の表情はやはり、緊張しているのだろうか。
「ただいま…」
「お邪魔します…」
立派な扉をあけて玄関に入っていく。
扉の音に気付いたのか奥の方から和服の女性が静かにやって来た。
「お帰りなさい。遅かったわね。…上がって。」
うわ…綺麗な人…
まさか亮くんのお母さん…?
