課長と私


「いっぱい濡らしてからね…」

「…んぅ、はぁ…あっあっ…あ、ん…」

「んっ……腰、もうちょっと上げるよ……」


ゆっくりゆっくり熱いものが入ってくる。
弱い電流が体中に流れてくる様だった。


「りょ…ぅく、ん…あっ……す、き…好き…っ」


必死に彼の方へと手を伸ばす。


「…っ……楓…ほんと、可愛い……」


伸ばした手をギュッと握って覆いかぶさるように肌を密着させる。


「ぁ…っ……好きだよ…楓……」


彼の甘い声が耳元に響く。
それだけで気を失ってしまいそう。

それからも時間をかかけてゆっくりと愛されて
さすがにお互い体力も尽きてしまった。

それでも先輩は優しく私を抱きしめて隣に寝転がる。


「りょ…亮くん、もう…腰が……」

「ん?」

「ん?じゃないですって。…腰…痛ぁ……」

「楓ちゃんが誘うから悪い。」

「私誘ってなんて……あ、いやぁ…あれは…」


さっきやってしまった大胆な自分の行為を思い出す。

そうだ…
もしかしたらもう…

なんて思うと顔が赤くなってくる。


「どうしたの?」

「えっ?いえいえ…何でも……あ。」


私の様子を見て不思議そうな顔をする彼。
それと一緒に秋穂のところで買ったプレゼントのことを思い出す。


「…楓ちゃん?」


目にかかった前髪をかき分ける。


「何でも…ないです。」


先輩がくれた指輪と比べたら私のプレゼントなんて…
なんとなく言い出せなくなってしまった。


「嘘。なんかあるんでしょ。」

「え…えーと。今日…記念日だから、プレゼント買ったんですけど…」

「プレゼント…?」

「ちょっと待っててくだ……いったぁ…」


まさかここで腰の痛みが影響するとは…
ベッドから降りようと思った矢先激痛が走る。


「大丈夫?…俺、取り入ってくるよ。」


私の腰を優しくさすりながら上体を起こす。


「…す、すいません…。」


プレゼントを渡す本人に見つけてもらうだなんて全くサプライズ感がない。
切なくなって布団を頭まで被る。

遠くでごそごそとカバンの中を探る音が聞こえる。