「ねぇ楓?」
「え?」
「柳瀬課長とは、大学で知り合ったんだっけ?」
「えっ…あー…大学のサークルで…」
先輩が会社に復帰してから数日後。
いつもながら緩奈とランチをしていると、ニヤニヤしながら緩奈が話かけてきた。
「へぇ~…じゃあ、付き合って数年ってことかぁ…」
「なんか、緩奈に言われて実感したかも…」
「何それっ!楓、大丈夫?」
「えー…なんか、学生の頃は何か月記念日~とかすごい気になってたけど、最近なんて先輩の方が覚えてるくらいだし…」
「え!!それはだめよあんた!!」
「いやいや…毎回じゃないんだけど…時々、ね」
こんなに落ち着いて話せるようになったのは最近のことで。
緩奈はこうやっていつも通りに接してくれているつもりだろうけど、私の様子を心配して声をかけてくれている。
先輩が復帰するまでの少しの間私を支えてくれたのは間違いなく緩奈で、本当に感謝している。
「あ、ほらもうこんな時間じゃん!楓あと1口食べちゃいなよ!」
「え、うそ!?待ってよ緩奈っ」
「待ってるってば!ほらはーやーく!」
お皿に1口分残ったナポリタンを口の中に入れて急いでお勘定を済ませる。
「緩奈…あの、病院の時ね…?」
「ん?1人で残ったとき?」
「そう…あの………ぷ、プロポーズ…されました…」
「え!?」
会社まで戻る道の真ん中でつい大声になってしまう緩奈。
慌てて口の前に指を立てる。
「か…楓が……ついに…っ」
「ちょ、ちょっと緩奈ぁ…泣かないで…」
「良かったぁ…私午後の仕事手につかないわ…」
「それはだめ。…緩奈にはいろいろお世話になったから…伝えないとと思って。」
「まぁね、緩奈姉さんがいなかったら今の楓はいないからね!」
どや顔の緩奈。
でも本当に彼女には感謝している。
「ところで楓さん、藤崎にはどうやって伝えるの?」
「………そう、なんですよねぇ…」
少し前にちょっとだけ進展があったアイツにはどう説明を…
というか、藤崎とのこと…彼に言わないとダメですよね…
