課長と私



「腹減った~…楓ちゃんがなかなか帰って来ないから…」

「それはさっき謝ったじゃないですかぁ…ほら、チャーハン作りましたから…。」


子供をなだめるようにチャーハンをテーブルに持っていく。
どこからか引っ張り出してきたTシャツを着て席に座る先輩。

髪の毛がまだうっすら濡れている。


「濡れたままだと、風邪ひきますよ??」

「…大丈夫。」


口にご飯を入れながらもごもごとしゃべる。

黙々と食べているところを見ると、味は美味しいようだ。そして可愛い。


「次…二人の休みが合ったら、どっか行く?」

「え?いいんですか…?」


先輩はあんまり外に出たがらない。人混みが苦手だと言っていた。
休みといえばいつもお家デートだ。


「楓ちゃんの様子だと…プレゼン、終わったらになっちゃうかもだけど。」

「全然いいです。頑張れますし。……楽しみにしてます。」


どうしよう、新しい服買っておこうかな…

その前に美容院行って……


「プレゼン早く終わるといいな…。頑張ってね楓ちゃん。」

「あ、そうですね…!無事に終わるといいですよね。頑張ります!」


いかんいかん…
浮かれすぎて今一瞬プレゼンのこと忘れてた…。