課長と私


「入る。」

「ちょ!?まままま…待って!」


私の手をひいて近くの綺麗なホテルに入っていく。

これは…
一体どうすれば…

私があたふたしている内に受付を済ませ、エレベーターへ向かう藤崎。
動作がスムーズ過ぎて慣れているのかと勘違いしてしまう。


「どうせ終電過ぎてんだから、いいだろ。」

「そんな時間だっけ…あ、本当だ……いやいや、タクシーで帰る。」

「いいから早く部屋入れって。」


扉を開けて私に入るように促す。


「へっ、変なことしない!?」

「………。」

「何その沈黙!こ、怖いんだけど!」


目が明らかに泳いでいるのがわかる。
さっきの発言からは責任がとれなさそうだ。

結局、渋々部屋の中に入っていった。
これ以上近くに居たら本当にやばいかもしれないのに。

先輩以外の男の人とホテルなんて、しかも同じ部屋は初めてだ。
同じ空間にいるだけで緊張する。


「シャワー、浴びてくれば?」

「え!?」

「うるさい。…深い意味はねぇよ。」

「い…いーよ、藤崎入れば?」

「…あっそ。じゃあ入ってくる。」


ソファでのんびりしていた藤崎がすくっと立ち上がり、そのままシャワールームへ消えていく。