「じゃあ…中村君、緩奈のこと送ってってあげて。もう半分寝てるようなもんだし。」
「え、いいのかな…一応初対面だし…」
「いいよー。はい、住所これね。気を付けてね。緩奈に変なことしたら私が怒るよ?」
「ありがと。…じゃあお先に。2人も仲良くね。よいしょ…緩奈ちゃん靴履ける?」
「靴くらい履けますよ~!さぁもう一軒だ~!」
「えぇ?…もう…飲んじゃだめだよ」
うとうとしている緩奈の肩を持ちながら店から出ていく中村君。
2人もって、どういう意味なの中村君?
緩奈はいつもなら酔わないのに。今日は何かあったのかも知れない。
私のことばかり心配してくれて…。
きっと中村君が私の代わりに相談相手になってくれていたのだろう。
「い、行っちゃったね…。」
「あぁ。…俺らも出るか。」
「…うん。」
お会計を済ませて、さっきよりも少しだけ寒くなった外に出る。
中村君の最後の言葉のことがあるせいか、少しだけ気まずい。
いかんいかん。
ただでさえ先輩と気まずいのに、藤崎とまでこんなことになったら会社に行くのがさらに億劫になってしまう。
「なぁ。俺まだ飲み足りないんだけど、飲みなおしていい?」
「藤崎そんなにお酒強かったっけ?…じゃあ、あの路地のとこ行く?料理が美味しいって噂が…」
「さっきは…あんまり飲めなかったんだよ。そこでいいや。行くぞ。」
最初の方は何を言ってるか聞き取れなかった。
1歩先を歩く藤崎についていく。
そういえば2人で何かするのってこの間のプレゼン以来だなぁ。
肩幅の広い後姿を見て、やっぱり男の人だなぁ…と思う。
