好きだから

5分くらい歩いたところで

『オレここだから』

指差す方向にはアパート。
へぇ、こんな近くに住んでたの?

『こんな近くに住んでたんだね。
私の家すぐそこ。』

指差す方向に小さくだけど見える私の家。

『あのさ、携帯教えてよ。』

『なぜ?』

『バイト仲間の番号聞くの普通じゃね?』

まぁ、確かに他の人なら
普通に教えるだろうけども?
私は今日の昼休みに
二度と顔を見たくない人リストに
君を入れたわけよ。

柏木くんは知らないとは思うけど。

今、どうやって番号を教えることを拒否出来るか頭をフル回転させて考えてるけど…

なかなか思いつかない自分に腹が立つ。

『う…ん…』

『早く。』

これってどうやっても教えなくちゃいけない感じだよね?
『はぁ…』
小さくため息
渋々カバンからスマホを取り出して
番号を教えた。