「この顔見るのは“俺”限定」

「諦めな、ありさ」



繭は、首を横に振っている。




それどころか、帰ろうとする気配。



「え、ちょっと待って。
カバンなんか持たないでよ」



「…………」



「無理ってなに!?
無理ってなによぉ!!」



ガシガシ繭の体を揺する。



「いーじゃん。
ここまで付き合ってあげたんだから。
ほら、見て。
部活も始まりつつある」



見ると、サッカー部がグラウンドで、準備体操を始めていた。