「あはははは……」と笑いながら、耳の上、頭をたたく。



「やだなぁ。
キスなんてされちゃったから。
耳までおかしくなっちゃった」



明るく笑うあたしの手首を、汐見廉がスッとつかんだ。



「聞き間違えじゃねーし。
叩くのやめろよ」



「……え?」



見あげた汐見廉の瞳は、怖いぐらいに真剣。



ってことは、まさか、本当に……?



でも、でも、でも。



そんなこと……ありえなくない?