「そ……それって?」



このタイミングで言われるってことは、まさか……?



そんなことが頭をよぎったけど、汐見廉が答えてくれるまで黙っていた。



「そう。
ありさの、“すげー可愛い顔”っていう意味」



汐見廉は、あたしの体を抱きしめた。



「だから、それは――。
俺の前だけで、いいんじゃね?」



「……っ」



まさか、こんなことを言われるなんて、思ってもみなかった。



“ありさ”なんて、名前で呼ばれると思ってもみなかった。