だから、あたしは、精一杯の虚勢を張った。



「それ以上あたしのことを可愛くないって言うと……。
アンタの口をふさいじゃうからね!
そんな生意気な口がきけないように!!」



はーはーぜーぜー言うくらいの勢いで口にした。



「へー。
そーなんだ。
おもしれー」



「う、うそじゃないよっ!
本当……だよっ!」



あたしがどんなにうろたえて叫んでも、汐見廉の余裕さは変わらない。



「じゃあ、やってみてよ。
どんな風にふさいでくれるか、逆に楽しみ」



生意気に言い放ってから、くすくすとおかしそうに笑う。