「この顔見るのは“俺”限定」

「覚えてねぇ?
電車の中で……」



そう言う汐見廉の顔が近い。



さっきの冷ややかさなんてどこにもなく、切なそうに眉を寄せている。



「……っ」



そんなの、もちろん、忘れるわけない。



だって、あたしが……。



“可愛い女の子”になりたいって思ったキッカケだもん。



もしあたしが、可愛い女の子だったら……。



なんの躊躇もなく守ってもらえるのに。