「この顔見るのは“俺”限定」

遠ざかる足音を聞きながら、両手を組んで、ぶつぶつ小さくつぶやいた。



その瞬間……。



「あーあ、おまえ。
また、あの時と同じ」



盛大なため息をついた汐見廉が、くるっと体をこちらに向けて、引き返してきた。



「……え?」



と驚くあたしの前に、腰を落とす。



「あのときって……?
なに?」



それに、どうして戻ってきてくれたの?



ホッとするより、まず、きょとんとしてしまう。