「……え?」



「俺になんか用でもある?」



チラッと見下ろされる瞳は、冷たい。



「俺、篠原が落としたっつースマホを探しに来ただけなんだけど」



冷ややかさとからかいが同居したような声。



「……っ。
な、なんでもない」



あたしは、大急ぎで答えて、汐見廉から視線をそらした。



うぅ……恥ずかしい。



もしかして、あたしを迎えにきてくれた? とか。