それなのに……。



なんで、キス!?



それに……。



汐見廉は、どうしてこんなにも優しい瞳をしているの?



こんなに甘い瞳で見下ろされたら……。



ドキドキも、体の熱も、最高潮。



自分でも、はっきりわかるほど赤くなった。



そんなあたしの頬に手を添え、汐見廉はつぶやいた。



「この顔見るのは“俺”限定」



「……え?」



「言いかえれば――。
この顔を見てもいいのは、“俺だけ”なんだってこと」