な、な、な……なに!?



身構えるあたしの前、あたしの腕を掴んでいた男子の腕を、パシッと払う。



「痛っ……。
なにすんだよ、汐見……」



口を尖らせた部員たちを無視して、今度は汐見廉があたしの腕をつかんだ。



「ち……ち……ちょっと……。
なに……?
どこ……行くの?」



あたしの質問なんか軽く無視して、汐見廉はズンズン歩く。



そして……無言のまま、体育館の外に出た。



あまりにも怖い汐見廉の態度に、部員たちは、誰も後をついてこない。