「この顔見るのは“俺”限定」

繭は、あたしの耳をギュッとねじりあげ、ポイッと放した。



「もー許さない」



ぷいっと、しかめっ面をして、顔をそらす。



「うぅ……。
だって、繭……」



「言い訳なんて、聞きたくない」



「……すみません……」



シュンと小さくなるあたし。



「悪いとは思ってるよぉ。
思ってるけど……。
でも、やっぱ……。
わざと転ぶことはできないよぉ。
だから、全力で走って、足をもつれさせる方向を狙おうとして……」