一人、モップで床をゴシゴシと擦る。
他にもここの掃除担当はいるのだが、雑用をするような奴らじゃないのだ。
現に今まで一度もここに顔をだしたことはな…
無い、と心の中で言いかけて、丁度ドアが開き言葉を止めた。
ナンテコッタ。
目が合ったものの、気にしないふりをして掃除を再開する。
なんで来るの?
いっつもは来ないくせに。
そう。入ってきたのはクラスメートであり、ここの掃除担当の女子3人だ。
存在感を無くそう、としたのだが。
「竹内っ!あんたさっき、川崎先輩と一緒にいたでしょ⁉︎」
「…は?」
真ん中にいる、ロングの髪にパーマをかけて癖っ毛です、と先生に言っているぶりっ子、
稲沢夢香が何故かヒステリー気味にそう言った。
しかし、いつもの人を見下すような視線はそのままだ。
いきなり入ってきて何言ってるのこいつ。