【短編】好き、です。


「付き合って下さい」



そう言って、先輩を見上げる。



先輩はしっかりと目を捉えてくれている。




その事に意識が集中してしまい、ものすごい勢いで全身が熱くなる。




先輩…背、高いな…



そんなことを思った次の瞬間、私は葵先輩の腕の中にすっぽりと収まっていた。



「せっ、先輩っ…」



「だからさっき言ったじゃん。俺も雫ちゃんのこと、大好きだよ」




ほんとに…



「私なんかの事、好きになってくれたんですか…?」




先輩は目を逸らさずに、柔らかな笑顔で頷いた。






ポタッ…





気づかずうちに、私の目からは涙が溢れていた。




それはとどまることを知らず流れ続けた。




「雫ちゃん」





「…キス、してもいい…?」





「…は、い」




葵先輩の腕が後ろに回り、唇が重なる。




私はもう感じる事が出来た。




先輩の温かさが、愛が、全身から伝わってくる。