天使になるまで

「…じゃ、俺担任に頼まれたことあるから美術室行くな」


「あ、そーなん?分かった。早く彼女作れよー」


そう言って慧はヒョイヒョイと背中越しに俺に手を振ると、すぐにどこかへ行ってしまった。


「…早く彼女作れよって…」


その言葉が頭の中をリピートしていた。

早く作れよって…そんな簡単なことじゃないだろ。

もっと、そういうことって悩む物だろ。







そう、恋なんてしたことがなかった。



そしてこれからも、しないと思っていた。



だけど、それは突然訪れた。



本当に、突然だった。









今思えば、これが“恋”ってやつだったんだな………。