颯は、追いかけてこなかった。 もともとそんなこと望んでいなかったけど。 私は自分でも驚くぐらい何とも思わなかった。 思ったのは、 「あー、終わったんだなぁー。」 ってぐらい。 涙なんて一滴も出なかった。 昔の私に。 あの頃の私に。 感情の持たない私に。 戻った瞬間だった。