「うん、そっか。今まで頑張ったね。」



私の口から出たのは、少し冷たく感じられるその言葉だった。



自分でも驚いた。



ふつうならもっと感情が外に出るだろう。



あまりにも、静かだった。



それはきっと、なんとなく気づいていたからだろう。



本人さえも気づいていないように見えるけれど、



真理奈はどんどん暗くなっていった。



態度も、表情も、しゃべり方も、



何も変わってはいなかった。



でも、真理奈の『目』だけが、どんどん暗くなっていった。