「…。」






「…橘さんはなんで帰るのOKしてくれたの?」








「…それは、」








上手くは説明できない。
だけど、千葉くんだから。

千葉くんはなぜか一緒にいてみたいという気持ちになる。







「…わかんないけど、千葉くんだったから、かな…?」








「…俺も橘さんじゃなかったら山尾の頼み断ってたよ。」








なんだか心が満たされるような、そんな感覚になった。





駅に着いて、駅からは反対方向らしく、別れることになった。







「…じゃあ、またね、千葉くん。」







「うん。…橘さん、明日一緒に昼、食べない?」








「へ?」








まさかの言葉に言葉が詰まる。







「あ、嫌なら大丈夫だけど…」








「…ううん!だけど二人だと緊張しちゃうから…、麻花たちも一緒でいい…かな?」







「うん。じゃあ四人で食べよう。また、明日。」







そう言ってホームに降りていった。
私はいつまでもそこから動けずにいた。