あなたに

「里依紗、まだ千葉から連絡ないの?」






「うん。」








「もう!私がガツンと言ってあげるよ!」








「いいの…!連絡待ってるだけじゃ、私もダメだから。」








私は消極的なタイプで連絡なんてできなかったけど…、千葉くんとはそんな風に終わりたくなかった。







そしてその日の夜、電話をかけることにした。









「…あの、もしもし。橘ですけど…」








「…橘さん?どうしたの?」








「…千葉くんと話したくて。…今から時間あるかな?」








少しの沈黙のあと、「うん。」の言う声が聞こえた。








「…じゃあ、駅の近くの公園で待ってるね。」







そう言って、外に出ようとした。








「…里依紗?今から出かけるのか?」






「…ちょっとだけ。すぐに戻ってくるからお母さんには内緒にしといて?」






「…すぐ戻ってこいよ?」






「大丈夫だよ。」






そして、公園に行くと、まだ誰もいなかった。
だけど、私は千葉くんが来るまで待つつもりだった。





15分くらい経った時、足音が聞こえた。






「橘さん、…遅くなってごめん。」






「ううん。大丈夫だよ…。」






千葉くんは何も言わずに、私の隣に座った。





「…あのね、私ね、」






「その前に俺が話していいかな?」






私の言葉を遮って、千葉くんはまっすぐとこっちを見てきた。






「え?う、うん。」






「…俺、橘さんと会うのやめようと思うんだ。」






「…どうして?」






私は必死に涙が流れそうなのを我慢した。






「…俺は、3人といるべきじゃないんだよ。」






「…なんで?」






「…だから、ごめんね。」






「…私の話も聞いてよ。一方的に終わらせないでよ。」






私はいつの間にか泣いてた。
抑えきれなくなってた。


まだ好きになってまだ少ししか経ってないのに、気持ちが抑えきれなくなってた。