『彩夏、音が悪いから薬飲もうか』








『でも、私、妊娠しているから薬飲めないよ…』








『大丈夫 この薬は赤ちゃんへの悪影響はないから
安心して』








こんなこともあるかと思って、前に新木先生に飲んでも大丈夫な薬を聞いといた








『ほら、彩夏、あーんして』









ゆっくり口を開ける彩夏に薬を入れ、水を流しこんだ









『………彩夏、飲み込めた…?』








『……うん』







『……偉いぞ』








そう言って顔を撫でると嬉しそうに微笑む彩夏








『彩夏……嬉しそう』








『だって、嬉しいもん
春樹がそばにいてくれるから』








『その言葉に照れるからやめろ』









『いいじゃん、真っ赤になった春樹なんか可愛いもん』








俺は、男だぞ…と思いながらも、彩夏が笑顔になってくれたからまあ良いか……と思う









『…彩夏もな』








そう言って彩夏の前髪をかき分ける