『…はい 終わったよ!
偉かったね!』
夏帆の頭に優しく触れながら
聴診器を肩から外し、白衣のポケットにしまう
『苦しいとことかあった…?』
『………ないから…もう、退院したい』
俺の顔をうるうるした目で見つめて
退院したいことを必死でうったえているけど
このまま退院はさせられない
『…まだ音が悪いからもう少し治療しようね
点滴頑張ればすぐによくなるから…』
『…グスン やだっ
退院したい』
俺がそう言うと、大きな目から涙がこぼれ落ちる
『絶対治すからもう少しだけ頑張ろう
夏帆は強いから大丈夫だよ』
『グスッ グスッ
…頑張っても治らないもん』
震えながら白衣を握る手から
夏帆の苦しさ、辛さ、恐怖心が伝わってきて
胸がしめつけられるように苦しい
『夏帆すごく頑張っているもんな
昨日も注射のとき自分から手を出してくれたし、夏帆が頑張っているのわかっているよ』
夏帆の辛さを取り除きたいと思って
優しく夏帆を引き寄せ、ぽんっ…とたたきながら俺の胸に夏帆の頭を入れて…

