暑い。それにしても暑い。
細く白い首筋に汗を流しながら自らを団扇で扇ぐ。
日焼けをしないよう日焼け止めはもちろん、大きめの麦わら帽子を被り、木の陰のベンチに座る。
白いワンピースは風になびき、緩んだ肩の紐は今にも落ちそうだった。


「お姉さん、何してんの?」
頭上から降りかかった声に顔を上げる。
「谷間見えてる、エロい。しかも超美人じゃん。襲われるよ?」
真面目な顔でそう言ったのは茶髪の少年。
涼しげな白のシャツに膝丈のズボンとビーチサンダル。
高校生くらいだろう。

「ねぇ、隣座っていい?」
ニコッと笑いながら彼が言った。
このベンチは二人用。
隣にはもう一人分、スペースが残っていた。
はぁ、とため息をつきながら「いいけど」と答えると彼は嬉しそうに座ってくる。