――午前8時27分、今日も快晴。
『♪♪♪』机の振動と共に、スマホ様のアラームが聞こえる。
・・・んん?
あれ、アラーム今日で何回目だっけ…。1、2、3…。
「遅刻あああああああああああああ!!!!」
急がなきゃ。
靴下と制服を、ベッドに投げ出す。素早く着替えて、脱ぎっぱなしのまま部屋を出た。あと13分…いや、12分で校門がしまる。
それまでに、なんとか!!!!
リビングに降りて、戸棚のパンを袋ごと掴む。そしてそのまま玄関へ。
靴箱の横でふと立ち止まる。
(…おかしくないかな。)
気になって少しだけ、髪を整えてドアを開けた。
「おはよ、りー。遅いよ。」
幻覚だろうか。
目の前に傑(すぐる)がいる。堂々立って。
「なんで…もう門閉まっちゃうけど…。」
「んー?りーひとり置いてけるわけないでしょ?」
ぼぼぼ、と、顔が熱くなるのを感じる。
「行くよ。」
そういって笑いながら、私の手を引いた。