「別に何でもない。疲れたのかな?
それかあなたの気のせいだよ!」
精一杯の強がりでそう言って笑ってみせた。
“バサッ”
「え?なに」
彼が持っていたパーカーをあたしに被せてきた。
「そんな顔みたくない。それ着てフードかぶって顔隠して。」
「意味わかんない。」
言われるままにパーカーをはおりフードをかぶった。
「お前さばかなんだね。」
「ばかだけど?」
少しおどけたように言った。
強がりがバレないように。
「いずれ損するよ。」
本当に意味わかんない。
初対面なのに人の中にはいってきて。
「もういい。お願いだから何も言わないで?
学校まで案内するから。」
お願い。
何も言わないで。
このまま何か言われたら泣いちゃうから。
さっきまでの強がりが意味なくなってしまう。

