「あと少しで文化祭だねー」
「里彩と蓮人はふたりでまわるんでしょ?」
「でも沙南は?まわる人いんの?」
たしかに…。
友達がいないっていうわけではないけどあたしは人見知り。
だから、一定の友達としか一緒にいることができない。
「羽鳥はまわる時間ないよ。俺の分まで働いてもらうから。」
びっくりした。
急に好きな人が現れるのってこんな気持ちなんだ…。
「なんでよ!てか綾瀬とあたし仕事番、同じ前半じゃん!」
「前半、俺の分まで働く。」
なんで、綾瀬って強引なのかな。
「まわる時間はあるじゃん!」
「前半、頑張ったらご褒美あげる」
……ご褒美?!
「ご褒美って…なによ」
「お楽しみ」
「もー。」
ふてくされて下を向いてると頭の上に手のひらの感触がした。
見上げると、綾瀬があたしの頭を撫でて笑いながら
“そんな、顔すると撫でちゃうよ”
そういって屋上から去っていった。

