「この切り取りむずっ。」
綾瀬は、文字の中をカッターで切ってるけど小さいし細かくてやりづらそう。
「あたし、やってみるよ。貸して。」
やってみると難しい。
よく綾瀬、これをやってたなって思う。
「なんかさー、羽鳥がカッターで指をきって俺が保健室に連れてくはめになりそう。」
「怪我しないから安心して。」
「とうだかー。
…あのさ。羽鳥って好きな人いんの?」
どうしよう。
綾瀬だよ。なんて言えないし…。
「んー。いないかな」
「好きな人できたら教えてねっ
いつでも相談のるから」
いつも言われる。
相談のるからって。
「綾瀬は誰なの?」
聞き返して、知ったとしても傷つくだけなのに。
本当にばかじゃん。あたし。
「えー。羽鳥かなー」
「嘘はやめようか。」
「はは。でも気になってるよー」
期待しちゃうからやめてほしい。
「どういう気になるよ?」
「えー。」
「誰だってそんなこと言われたら期待しちゃうよ?」
期待して、後で傷つくの。
恋って、残酷だよね。
「期待していいよ。」
「え…。そんなこといわれたらこっちだって気になっちゃうよ?」
好きだなんて言えなかった。
期待しちゃうじゃない。
「いいよ。」
もう、混乱して何がいいのかわからない。
「はっきりしたい。」
「羽鳥は?」
「えー。」
好きって言うの?
あたし、告白なんてしたこともないし、したくもないよ。
「言ってくれたらいいよ」
でも…。
ここで嘘ついたらチャンスはもうこない。
「気になるというか好きなのかもしれないなーって。」
「一緒」
時か止まってほしい。
そう思った。
一緒なの?両思いってことなの?

