「沙南さ、ばか?」


はい?
 

ばかだけどさメールとなんの関係があるのよ。


「ばか…ですけど?」


「知ってる。」


じゃあなんで。


メールだって普通に返信してたし、内容もばかといわれるものでもない。


「沙南はさ、自分の気持ちに気づいてる?」


自分の気持ち…?


「前からずっと思ってた。 

でも沙南は、いつもと変わらないから気のせいなのかなって思った。

でも、このメールで確信したよ。」


「っ里彩…!」


これ以上言ってほしくなかった。


里彩の今の言葉で予想はついた。


「沙南は気づいてないんだよ。」


気づかなくていい。


傷つくのだけはもう嫌…。


「沙南は…


綾瀬が好きなんだよ。」


やっぱり。


あたしは綾瀬に恋をしていたんだね。


でも…気づいたところでどうするの?


気づいたからって両思いになれるとかそんな簡単な話しじゃないでしょ。


「沙南ならいける。


里彩、応援してるから。


相談だってのるんだから!」


「あたし…本当に好きなのかな?」


実感がないよ。


あたし、綾瀬のことをみてドキドキとかしてる?


してないよね?

  
「沙南…。


自覚しなよ。正面からちゃんと向き合いなよ。」


向き合わないといけないよね。


どんなことがあっても、この気持ちは無駄にしちゃいけないね。