「え!彼氏できたんだ!」

あたしといつも一緒にいる里彩に彼氏ができた。


それは同じクラスの秋本蓮斗。


たしかに納得はいく。里彩と蓮斗は仲良し。


あたしと蓮斗は中学が一緒。


それがきっかけで里彩とも仲良くなったみたいな。


「昨日、ふたりで帰ったの。そしたら告白された」


「もーよかったじゃん。あたしもすごく嬉しい!お幸せにね、里彩と蓮斗!」


「え!あ、いたんだ…!」


さっきから里彩の後ろに見えないよう隠れてたんだけどな。


里彩はやっぱり気づかなかったみたい。


「沙南は好きな人とかいないのー?いろんな人に告白されてるのに全部断ってるし。」


好きな…人?


あたしには好きな人なんか前からいなくてどうでもいい感じだった。


なのに何故か反応してしまう。


だけど…あたしには好きな人なんかいない。


「いないよ」


「気になってる人とかいないの?

毎日メールしてる人とかさ!」


「んー。綾瀬とはしてるけど恋愛っていう感じじゃ…。」


綾瀬か…。


綾瀬にも好きな人いるし。


てか好きじゃないし。


「え!どんなメールしてるの?!」


「えーとね…」


あたしはメールの内容を話した。


ほめると照れるってきたり。


ふざけて名前で呼びあったり。

 
メールしすぎてたくさんありすぎた。