くの一反省帖〜お殿様を守れ、オー!〜

「バカっぽいって…失礼な!あたし達は、ねぇ一般的な字の読み書きは出来んばってんが忍文字ならスラスラ楽勝よ」

あ〜あ言っちゃった。

「父上…この者達は忍なのですか?」

吉十郎は、驚きのあまり十兵衛に目をやる。

十兵衛は手で顔を覆いながら

「う…まぁ…その〜…そういう事だ」

と、しどろもどろに答え白雪に

「狭霧殿が、あんなに口が軽いなら何故ワシに教えん!」

と詰め寄る。

「食後の狭霧はご機嫌やけん…知っとぉ事何でも喋らな気が済まんと!」

なるほど落ちこぼれる訳だ…

極秘の隠密行動なのに動き始める前から秘密がポロポロ漏れる現実に十兵衛ならずとも不安を覚えるのは当然だろう。