「我々としても御家老様には世話になってばかり…御家老様のたっての願いとあらば喜んで殿の暗殺を企てる不埒なヤツらを返り討ちにしてやりたいが…残念ながら人がおらんのでござる」

頭が苦しい事情を口にした。

「なんと!この里に忍は、おらんのか?」

当てが外れた十兵衛は目の前が真っ暗

「主だった者は、すでに各地で任務に当たっております。知っての通り任務は特殊な物…彼らとの伝達は基本一方通行…連絡の取り様もございません」

隠密性が忍のモットー…己を消して地域と一体化せねば有効な情報など仕入れる事は出来まい。