くの一反省帖〜お殿様を守れ、オー!〜

「もしや深雪殿か?逆さまだからよく解らんが…」

「あら、御家老様…何やってんですか?随分器用な事やってんですね」

どうやら深雪という女、十兵衛と顔見知りらしい…

「罠にかかって、何とか放して欲しいのだが、その娘に無視されてのう」

「まぁそれは災難でしたね…狭霧、早く御家老様を降ろして!」

「え〜晩飯諦めると?せっかく捕まえたとに…」

ぶつぶつ言いながら狭霧とか言う変な女は、罠を解いて下に降ろしてくれた。

「深雪殿、頭はご在宅か?」

つまらん事で時間を食った十兵衛は、挨拶もそこそこに頭の所在を尋ねた。