「十兵衛は…ムニャムニャ…役立たずやけん…ムニャムニャ…減給だぁ〜う〜ん」

寝ててもやかましい女だ。

十兵衛は、寝言で散々自身の悪口を言う朧と行動を共にした事を非常〜に後悔してる。

「まぁまぁ十兵衛殿、娘子の他愛も無い寝言でござる。笑って受け流しなされ」

と周りの連中は、ちっとも十兵衛を慰めたりしやしない。

やっぱり生着替えが効いたのか?

「とりあえず街に着きました。主だった者は旅籠へ…残りの者は寺院に分宿って事で…」

と仕切り役らしき男がえらい張り切って割り振りしだした。