くの一反省帖〜お殿様を守れ、オー!〜

娘は一向に十兵衛に構う気配すら無い。

「ワシを見殺しにすると、里に災いが降り掛かるぞ!」

仮にも一国の家老だ。暗殺なんて事になれば犬鳴の里もタダでは、おくまい。

そこまで脅しても女は、気にも止めない。

「くそー変な女に関わってワシの人生…ひいては黒田家の命運まで…うううっ」

十兵衛が無念を隠せず嘆いていたら桜色の着物を着た女が歩いて来て

「狭霧(サギリ)何やってんの?」

と変な女に話かけている。

知り合いか?

「あ、深雪(ミユキ)やん…見て見てぇ〜晩飯ぃ馬料理作れる?」

やっぱり食うつもりやったか…ん?この娘今何て言った?