「あたしの特技?誰かに化ければいいと?」

自分が危険に晒されるなんて夢にも思わない朧は呑気に相槌を打つ。

「その通り。是非殿に化けてもらいたい」

十兵衛には、ある目論見があった。

ズル賢い狭霧や良識派?の白雪ならいざ知らず妙に抜けてる朧なら簡単に丸め込めると

「会った事も無い殿にやら化けきらん」

ぶっきらぼうに拒否る朧…しかし十兵衛の想定内

「その為にワシがおる。お主に殿の特徴をじっくり教えてやる」

十兵衛と一晩中顔付き合わせる…朧に耐え切れるか?