「誰かおらぬか?使者殿を寝所へお運びせよ」

早馬まで飛ばして来るぐらいだからさぞや、この手紙には、重要な事が書かれてるに違い無い。

十兵衛は右手で肩の高さまで手紙を持ち上げ斜め左下へ一気に振り下ろした。

瞬間、山折り谷折りに畳まれた手紙が広がる。

そして左手を下に添える。
結構カッコいい…

十兵衛の特技の一つ…カッコいい手紙の広げ方である。

そして手紙を読み進めると…

「何と…恐るべき陰謀…」

よほどの事が書いてあったらしく十兵衛は支度もそこそこに馬に乗り屋敷を後にした。