Seaside moon




ーー5分後

彼について行くとほんとに
喫茶店から、近かった。たったの5分で
彼の住んでいるであろうマンションについた。

そこで、あたしは驚いた。見覚えのある
マンションだったからだ。
昔、ここはあたしが…どうでもいいか。
あいつに連れてこられた場所。
まぁ、そいつもここに住んでるってことだ。


会わなきゃいいが、と思いながら。

今は、そんな事考えてる場合でもない。
とにかく、雨が止むまでは彼の部屋で
待機だ。

チン。
エレベーターがついた音だ。

彼に続いて、あたしも乗る。

何階なんだろうかと思いながら、
彼の指を見つめていると、
なんと、最上階を押した。

あれ、確か最上階って一部屋しかないんじゃないっけ?

この人、凄いとこのお坊ちゃん?…

あたし、凄い人と今いるみたいね。
まぁ、一度きりの出逢いでしょ。