「俺、早瀬拓真。キミは?」
「あたしは白石カンナ」
「カンナよろしく、俺は拓真でいいから」
「うん、拓真よろしく」
拓真はたまにチラチラとあたしを見つつも
ほとんど海をみていて
人見知りなあたしはとても助かっていた
「カンナはどこから来たの?」
「東京」
「だいぶ遠いな」
普通なら"なんで?"って聞く
正直に話せばいいけど、
なんとなくそのけじめはまだついていなくて
『親の仕事で』とか言えばいいなんて
心構えしていたけど
拓真は聞いてこなかった。
「俺1回東京いってみてーな」
なんだかそれが...嬉しかった
ただ聞かなかっただけなのかもしれないけど
いまのあたしにはすごく嬉しかった
「行ったことないの?」
「ないよ、東京ってイケてるやつばっかなんだろ?」
真面目な顔でそんなことを言う拓真に思わず噴出すと
「なんだよ?」って目尻を下げて笑いながら後ろに手をついた

