翌日も拓真と待ち合わせして学校に向かう
「先輩に声かけられなかったか?」
グラウンドの整備のため
1週間部活が休みの拓真が
スポーツバッグではなく学生鞄を
肩にかけなおすついでにあたしをみた
「ううん、大丈夫だったよ」
「そっか」
「うん」
学校に近づくにつれ
登校する生徒が増えてきて
あたしたちをチラチラ見ながら通り過ぎてゆく
これって....
付き合ってるって勘違いされてるよね?
きっと...
「拓真」
「ん?」
拓真は余裕な表情で
くりっと大きな目を少し見開く
「好きな人いないの?」
「....はぁ?」
半笑いで、でも照れたように少し顔が赤くなった
...これ、いる反応だよね?
「いや、あたしといたら勘違いされちゃうよ」
「別に...いいよ」
「...そっか」
さすがに転校してきたばかりの
あたしと 優等生で人気のある拓真が
なんてまさか誰も信じないよね