「行って来ます」
「気をつけるのよ」
翌日、台所にいるおばあちゃんに声をかけてから
時間通りに門の前まで行くと
「よ!」
「おはよう」
拓真が門に寄りかかって立っていて
あたしが来ると地面に置いたスポーツバッグを肩にかけた
「なんか制服だから変な感じ」
「俺そんなに似合ってないかよ?」
「そ、そういうわけじゃない!」
「はははっカンナ必死」
だって...思わずドキッとしてしまうくらい
しっかり筋肉質の体に似合っていて
かっこよかったんだもん...
「うちのダサいセーラーもカンナが着るとそれなりに見える」
「それダサいのが似合ってるってこと?」
あたしが笑いながら拓真を見上げると
あたしの髪の毛をわしゃわしゃっと撫でながら
「ばーか」と笑った
拓真と歩く15分の道のりは
昨日1人で歩くよりも早く感じて
とても楽しい
「なんかすごい視線感じるんだけど」
学校の近くまで来て
拓真がキョロキョロと周りを見渡すから
あたしも見るけど...まぁ、正直こんなのには
慣れていた
「なんでだろうね?」
平然を装って気にしないふりをしたけど
「いや明らかにカンナだろ」って言われて苦笑いをした