幸い良かったのは、3年の秋だという事。 ほとんどの奴が、受験に向けて勉強に集中していたから。 俺達なんて構っていられない。 別れた事は、案外早く皆の中から消えた。 俺は、第一志望をここの中学から遠いこの高校にした。 裏切られるのだったら、最初から自分から壁をつくればいい。 ……地味男の大友駆として生きていく。 そう決めたんだ。 *** 「そう、思ってたんだけど……。お前に惚れてた」