そう、聞いていた。 俺の心臓が、大きく鳴る。 その時の俺は、タオルの事なんて忘れていて二人の話に耳を傾けていた。 「んー。だってさぁ、駆、顔はカッコイイからさ。自分の株が上がる。……でも、本命は、健だから」 そう言って、また甘いキスをする二人。 俺は、そんな光景が見たく無くて静かに廊下を歩き出す。 俺、七菜に裏切られてた? まぁ、そうだよな。顔しか見てない奴なんだから。