本棚にぶつかりそうになり、目をぎゅっと閉じる。



その瞬間、強い力で引っ張られた。



「大丈夫かよ。あぶなっかしーな」



頭の上で声がする。ん?



顔を上げるとドアップで、イケメン大友君の顔があった。


「ーっ」



「おい、大丈夫かよ」



「うん、ありがとう」



いつもと違う口調にドキドキする私。



あっ、違うか。一回だけ、なんで地味男のふりをしているのかと質問した時もこんな口調だったような。