彼と私とかぶとむし

「凛〜っ。そろそろ行こうか?」

お母さんが呼んでる。

トスントスン、と軽やかに階段を下る。

「もーっ、あんたもう女子高生なんだか

ら。そんなにバタバタしないの。ね。」

女子高生、か。

うれしい。うれしい!

これからどうなるんだろう。

私は入学を心底、心底楽しみにしていた。

必要なものをきれいにリュックに入れて、

前髪と顔を確認して、

歯を磨いた。