彼と私とかぶとむし

「や、まだ…あんまりピンとくるものが

なくって…」

「……ふうん」

と、ふいに先輩が大股で距離を一気に詰

めて来て、危機感を感じ後ずさるつもり

が、うまくいかずにしりもちをついてし

まった。

先輩がしゃがみこんで私の肩に手を乗せ

る。というか掴んでいる。

近づいてくる、顔。

お互いの顔の距離、10cm。

先輩は、私の目をじぃいっと覗き込んだ



うううっ、待って、なに、なんなの…………、